カバーソング

Covers Record

サティスファクションをこんな風にカバーした人間が他にいるだろうか。キャットパワーことChanの凄みを感じずにはいられない一枚。選曲もたまらない仕様になっている。今更といえば今更のアルバムだが、私は最近になってこれを買ったのだから今更物を言う。必要最低限のもの、それだけで満ち足りるものを作るというのは傍から見たらやけに難そうな気がしてしまうが、きっと彼女にとっては自然なことなのだろう。ブロードウェイの道路の真ん中にあるベンチで初めてこれを聴いた時に感じたもの、帰って来て何度も見た風景の中でもう一度聴くこの音、私はどこを通って来て、どこをまた通るのか。今日見た夕方は、確実に変化しているといいと思うし、この音の中に断片を、私だってしっかり刻んでやるんだと思う。